こんにちは、絵描きのひつじです。
アートの世界は日々新しく生まれ変わっています。
ギャラリーで見る出来立てホヤホヤの新作から、美術館の名作、SNSで話題の作品まで、
たくさんの絵を見ていると、
「この絵、好き!」と感じるものと、
「ふーん、よくわからないな」と感じるものがあると思います。
これは、あなたの好みに合うスタイルとそうでないものがあるからです。
アートの世界には無数のジャンルがあり、それぞれに独自の魅力があります。
自分の好きな絵を見つけるためには、どんな種類の絵があるのかを知ることが大切です。
そして、
新しいアートに出会いたいけど、どこに行けばいいのかわからない
アートの楽しみ方がわからない
一歩踏み出せないあなたにもおすすめの記事です。
多くの作品に触れることで、あなたの感性はより豊かになり、創作のヒントも得られるはず。
本記事では、アートのジャンルから身近に楽しむための場所や方法、
そしてたくさんの作品に触れる意義についてご紹介します。
目次
絵のスタイルジャンル分け
まずはじめにざっくりアートのスタイルを知りましょう。
1. 印象派 —— 柔らかく光を感じる絵が好きなら

印象派は、19世紀後半にフランスで生まれたアートのジャンルで、光や空気感を大切にした表現が特徴です。筆のタッチが残るふんわりとした雰囲気や、鮮やかな色彩が魅力。モネやルノワールのように、風景や日常の一瞬を切り取るような作品が多く、優しく穏やかな雰囲気が好きな人におすすめです。
2. リアリズム —— 写実的で細かい表現が好きなら

Gustave Courbet – Nature morte, pommes
「まるで写真みたい!」と思うほどリアルな表現を追求するのがリアリズム。人物や静物、風景などを忠実に描き込むスタイルで、細部までこだわった作品を好む人に向いています。光や影、質感の表現がとても細かく、技術的にも高度なものが多いのが特徴です。
3. 抽象画 —— 形よりも色や雰囲気を楽しみたいなら

抽象画は、具体的な形や対象を描かず、色や線、形の組み合わせで感情や概念を表現するスタイルです。ジャクソン・ポロックのようにダイナミックな筆致でエネルギーを感じるものから、モンドリアンのようにシンプルで秩序だったデザインのものまで、多種多様な表現があります。「何を描いているかわからないけど、なんとなく惹かれる」という絵に出会ったことがあるなら、それは抽象画の魅力かもしれません。
4. シュルレアリスム —— 夢のような不思議な世界観が好きなら

Salvador dalí, Surrealism
シュルレアリスム(超現実主義)は、夢や無意識の世界を表現するアートです。サルバドール・ダリやルネ・マグリットの作品のように、現実にはありえないようなモチーフを組み合わせた幻想的な作品が特徴です。日常の中に違和感を生み出すような構成や、奇妙なモチーフを使った作品が好きな人にはぴったりです。
5. ポップアート —— カラフルで遊び心のある絵が好きなら

ポップアートは、1950年代以降に生まれたアートのスタイルで、広告や漫画、消費文化をモチーフにしたカラフルでユニークな作品が多いのが特徴です。アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインのように、シンプルで強い色彩が魅力的な作品が好きな人におすすめです。ポップアートの作品は、一目見てわかりやすいものが多く、ユーモアや風刺を取り入れた表現が多いのも特徴です。
6. 現代アート —— 作品の意味やメッセージ性を重視するなら

現代アートは、技法や美しさそのものよりも、「何を伝えたいのか」が重要視されるジャンルです。コンセプチュアルアート(概念芸術)のように、作品そのものよりもその背後にある考えや意図を重視するものもあります。たとえば、日用品を使ったアートや、見る人に考えさせるような作品が多く、「なぜこれがアートなの?」と疑問を持つこと自体が楽しみのひとつになります。
7. 廃墟や退廃的な美しさ —— 朽ちていくものに惹かれるなら

廃墟や古びた建物、時間の流れを感じるような退廃的な美しさを表現したアートもあります。寂しげな雰囲気や、崩れかけた建物、朽ち果てたものの美しさに魅力を感じる人にはぴったりです。映画やゲームの世界観にも影響を与えることが多く、ノスタルジックで幻想的な雰囲気を持つ作品が好きな人におすすめです。
さらに超ざっくり!絵のスタイルをジャンル分け
アートの文脈で説明されてもいまいちわからないよ!という人向けに、超ざっくりにジャンル分けしてみました。
1. かわいい系

見ているだけで癒される、ほっこりするスタイル。ふわふわした線やパステルカラーが特徴的。イラストやキャラクターデザインにも多い。
例:サンリオ系のイラスト、ゆるふわな水彩画
2. かっこいい系

シャープな線やダークな色使い、スタイリッシュな構図が特徴。迫力のあるものが多く、グラフィックデザインやポスターアートにも使われる。
例:アメコミ風のイラスト、ゲームのコンセプトアート、サイバーパンク
3. 渋い系

落ち着いた色合いや、歴史を感じるような重厚感のあるスタイル。クラシックな美術や日本画、伝統工芸にも通じるものがある。
例:浮世絵、油絵の風景画
4. シンプル・ミニマル系

無駄な要素を削ぎ落とし、必要最低限の形や色で表現するスタイル。デザイン性が高く、ポスターやロゴにもよく使われる。
例:モンドリアンの幾何学アート、シルエットを活かしたイラスト
5. ゴチャゴチャ細かい系

とにかく情報量が多く、細かい模様やパターンがびっしり詰まったスタイル。一見するとカオスだけど、じっくり見ると楽しい発見がある。
例:ウォーリーを探せ、メディーバル・イラスト
6. 意味深・哲学的系

一見すると「何これ?」と思うけど、よく考えると深い意味があるもの。見る人によって解釈が変わるアート。
例:シュルレアリスム(ダリの時計が溶ける絵)、コンセプチュアルアート
7. ストリート系

「絵」という枠を超えて、アイデアやコンセプトが重視されるスタイル。絵具だけでなく、インスタレーションや映像なども含まれる。
例:バンクシーのストリートアート
8. 笑える・ユーモア系

思わずクスッと笑ってしまうような、ユーモアのある絵。シュールな発想
例:風刺画、4コマ漫画、シュールな動物イラスト
こうやって分けてみると、自分がどの系統の絵が好きなのか、少し見えてくるのではないでしょうか? 好きなジャンルがわかると、次にどんな作品を見ればいいのかも自然とわかってきます。いろんなジャンルを知って、お気に入りのアートを見つけてみてください!
好きなスタイルを見つけるには?

まずは、さまざまなジャンルを見て、「この色合いが好き」「この雰囲気に惹かれる」と感じるものを探してみましょう。
おすすめの方法
• 美術館やギャラリーに行く: 実際に作品を見ることで、写真では伝わらない質感や迫力を感じられます。
• SNSで好きなアーティストを探す: InstagramやPinterestなどで「#アート」や「#絵画」などのタグを検索し、気になる作品を保存してみましょう。
• アートブックや画集を読む: 好きな画家やジャンルの本を手に取ることで、より深く理解できます。
アートは、見る人によって感じ方が違うもの。あなたが「好き」と思う作品が、あなたの感性を映し出しています。いろいろな作品に触れて、自分の好みを見つけてみてください。
出来立てホヤホヤの新作が楽しめるギャラリー

ギャラリーは、今まさに活躍しているアーティストたちが新作を発表する場です。基本入場無料です。気軽に訪れることができます。特に以下の点がギャラリー巡りの魅力です:
1. 新しい才能と出会える
ギャラリーは新人アーティストの登竜門でもあります。これから注目される可能性のある作品を、誰よりも早く目にすることができます。
2. 作家と直接話せるチャンスも
オープニングイベントなどでは、アーティストが在廊していることも。作品について直接質問したり、制作秘話を聞ける機会は貴重です。有名ギャラリーはたまにトークショウを開催したりします。
3. リアルタイムのアートシーンを知れる
時代や文化に影響を受けた最新のトレンドが詰まっています。SNSで話題のスタイルが、実際にどんな表現として形になっているかを体感できます。
おすすめサイトは Art news japan と Tokyo Art Beatです。
SNSで気軽に情報収集

• 最新のトレンドをチェック
Instagram、Pinterest、TikTok、などで自分の好きなアーティストをフォローしたり、関連タグを探してみましょう。今の時代はsnsの影響でギャラリーに所属しないで個人で活躍しているアーティストが増えています。snsで好きなアーティストをみつけて、応援するのも楽しいかもしれませんね。
美術館で名作に触れる

SNSでは体感できない、作品のスケール感や質感を味わうなら美術館へ。特に有名な美術館では、何度見ても飽きない名作に出会えます
さらに、美術館の建築は、訪れるだけで感動を与えてくれます。外観のデザインや内部の構造は、その美術館が持つ雰囲気や目的を反映しており、芸術作品を鑑賞するだけでなく、建築そのものも楽しむことができる要素です。
訪問前に下調べ:ギャラリーや美術館の公式アカウントで、展示内容やアクセス情報をチェックしておけば、効率よく楽しめます。手軽な情報収集は美術手帖のメルマガがおすすめです。
作品を見るときのポイント

あなたの中に眠っている「好き」の感覚が目を覚ます!
1. 好きなものに素直になる
「分からないから…」と構えずに、まずは自分の心が動くかどうかを大切に。好き・嫌いも立派な感想です。
アートには「正解」はないです。あなたの感じたことがすべて。
2. 自分なりの視点を持つことが大事
「なんかいいな」と思ったら、どこが好きなのか、どんな気持ちになったのかを少し考えてみると、作品がもっと身近に感じられます。
正解探しではなく、自分の感じたままに楽しめばいいんです。
3. 新しい体験を楽しむ
「難しそう」「自分には向いてないかも」と思うジャンルやスタイルにも、ちょっとだけ触れてみると意外な発見があるかもしれません。
「こんな世界があったんだ!」と、あなたの中の好奇心が新しい扉を開いてくれるかも。
アートは特別な知識がなくても、あなたの感じるままに楽しめばいいもの。
まずは、好きな色や雰囲気の作品をじっくり見つめるところから始めてみませんか?
こんな感じなら、アートの世界に一歩踏み出しやすくなると思います。
まとめ
出来立てホヤホヤの新作から歴史的な名作まで、アートに触れる方法はたくさんあります。
入場無料のギャラリーも、SNSも、美術館も、すべてあなたの感性を豊かにする扉です。気軽に作品を楽しむ時間を作ってみてください。
それが新しい視点や創作への一歩につながるはずです。
さあ、次の週末はどこに出かけてみますか?
またね。ひつじ。