
絵を描くことの困難とスランプの乗り越え方
絵を描くことは、時に困難を伴います。何を描いても満足できない、目指す場所に到達できないと感じることがあります。
そんな瞬間、まるで自分が全然ダメな人間のように思えて、心が沈んでしまうこともあります。
私も、そんなスランプに悩んだことがあります。
その時期は本当に深刻で苦しく、どうしても乗り越えられない壁のように感じました。
しかし、スランプに陥ったとき、どんな方法で抜け出せるのかをいくつか試した結果、一番効果的な方法を見つけました。
もし、今あなたがスランプに悩んでいるのなら、この記事をぜひ読んでみてください。
私が実際に試した方法、そしてその結果どうなったのかをお話ししますので、少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
目次
スランプになったきっかけ

私がスランプに陥ったきっかけの一つは、東北大震災です。
この大きな出来事を受けて、私は初めて「時事」をテーマにした絵を描こうと決意しました。
ちょうど海外で展示する機会があったので、日本のことを知ってほしいという思いから、
津波や震災後原発事故などを表現したくて、絵を描き始めましたが、描けば描くほど、
自分の心と絵が繋がらない感覚に悩まされました。描いても描いても、ただ混乱した感情が画面に浮かぶだけで、何とか無理やり完成させ、
その絵は台湾で展示されました。
展示されている自分の絵を見たとき、
良い絵じゃないなと強く後悔してしまいました。
そして日本に帰国後、しばらくして私はその絵を廃棄することを決めました。
絵が苦痛に感じる日々

絵を描くことが次第に苦痛に感じられる日々は、非常に辛いものです。筆を取るたびに心の中の空虚感が広がり、描けば描くほどその感覚が強くなると、
次第に「もう絵を描けないのではないか?」と思うことさえあります。自分の思いを表現できないことがこんなにも苦しいとは、予想もしていませんでした。私は弱いんだなぁと、ショックを受けました。

このような状況では、無理に描き続けることが余計に負担になり、創作に対する楽しさを見失ってしまいます。心が空っぽに感じ、何も表現できないという感覚が、創作活動に対する意欲を奪ってしまうのです。こうしたとき、最も大切なのは自分を追い詰めないことです。
無理に絵を描こうとせず、少し休むことも重要です。心のリセットができたとき、新たなインスピレーションが生まれるかもしれません。また、新しい方法を試したり、異なる表現方法に挑戦してみることも、空虚感を和らげる助けになるかもしれません。
この苦しい時期が永遠に続くわけではなく、心の中に再び描きたいという気持ちが戻ってくることを信じて、少しずつ自分を癒す時間を持つことが大切です。
焦らず、無理をしないことが大事

私は一度無理に描こうとすることをやめました。
そして、自分のペースで心を休めることにしました。その時間に、本を読んだり映画を観たり、絵とは少し離れたことに時間を使うことで、少しずつ自分の中に新しいインスピレーションが芽生えました。
この過程で、私はある言葉を思い出しました。
それは、学生時代に読んだ須藤元気さんの『風の谷のあの人と結婚する方法』に書かれていた言葉です。
「興味のないことでもあえて学ぶと、ヒントが見つかる」という言葉に影響を受け、
普段あまり触れてこなかった分野の本にも挑戦しました。このように、違う視点からの学びを得ることで、創作に対する考え方が広がり、少しずつ心の中が変わっていったのです。
リハビリのように、キャンバスではなく水彩を描いたり、少しずつ筆が動き始めました。
でもまだ心が渇いていました。

もやもやしてる過程で、人生で一番の衝撃に出会います。
それは、それまで全く興味がなく苦手意識すらあった聖書でした。
目から鱗。私の知りたい答えがすべて記されている衝撃と癒しと救いで、
あんなに苦しかったのに、スランプに落ちてよかったと思いました。笑。
スランプになってなかったら気づけなかった色んな発見があったからです。
スランプを乗り越えるために大切なこと

スランプから抜け出すために、最も重要だったことは、無理に「やらなきゃ!」と焦らないことでした。私は、どんなに頑張っても上手くいかない時期が長く続きました。焦って絵を描こうとすればするほど、空回りしてしまうことに気づきました。だからこそ、「今は無理に描かなくても良い」と自分に言い聞かせ、少し休むことにしました。休むのにも勇気がいります。
時間をかけて、焦らず心を落ち着けることで、自然と絵を描くことが再び楽しく感じられるようになりました。それが、私にとって一番効果的だった方法でした。
1. 新しい技法やスタイルに挑戦する

スランプになったおかげで得たことは、
「いつもの方法にこだわらず、新しい技法やスタイルに挑戦する」ということでした。普段使っている手法に固執するあまり、思考が凝り固まってしまうことがあります。そこで、私は抽象的な表現への挑戦など、これまで触れたことがない領域に積極的に挑んでみました。
例えば、普段はあまり描かないテーマに挑戦することで、自分の表現の幅が広がり、感覚が研ぎ澄まされます。新しい技法やテーマに触れることは、自分の限界を広げる大きな一歩になります。スランプに陥っているときこそ、普段の枠にとらわれずに違った視点で物事を捉えることが大切だと感じました。
2. 外に出てインスピレーションを得る

スランプを打破するためには、部屋に閉じこもっているだけでは限界があります。実際の風景や他のアート作品、人々との触れ合いから得られるインスピレーションは、想像以上に力強いものです。私はスランプに陥っていたとき、ギャラリーや美術館を頻繁に訪れました。学生の頃よりも、はるかに多くの展示を見に行った記憶があります。そこではアーティストたちの作品に触れ、刺激をもらったり、元気をもらったりしていました。
美術館やギャラリーに足を運ぶことで、視野が広がり、視覚的に刺激を受けることができました。また、直接目の前で作品と対話することは、書籍やインターネットで得る情報とはまた異なる、深い影響を与えてくれるのです。
3. 自然や日常から学ぶ

日常生活の中でも、自然や身近な風景から多くのインスピレーションを得ることができます。例えば、朝の光や夕方の影、道端の花や風の音など、身の回りの美しい風景や微妙な色合いに気づくことで、絵に新たな命を吹き込むことができるのです。普段見過ごしているものに目を向けることで、再び創作意欲が湧いてきます。今の私は自然からヒントをもらうことが多いです。昔は自然にそれほど興味がなかったので、改めて変化したなと感じています。
4.「ダメなときは何もしない」というアドバイス
振り返ってみると「ダメなときは何もしない」というアドバイスはジブリのアニメ『魔女の宅急便』の画家のお姉さんが言っていた名言です。
スランプに陥っているとき、無理に前に進もうとすることで、かえって疲れてしまうことがあります。そのため、時には何もしないことも必要だと思います。何度も言いますが休息を取りながら、心身をリフレッシュさせることも大切なプロセスです。
結論
スランプを乗り越えるためには、何よりも「続けること」が重要です。新しい技法やテーマに挑戦し、外に出てインスピレーションを得ること、信頼できる人からアドバイスを受けることなどが、その過程で大いに役立ちます。
時には無理に前進しようとせず、休息を取ることも忘れないでください。
スランプを乗り越えると、また新たな喜びを感じることができるようになります。
この記事が、今スランプ中で悩んでいる皆さんの助けになれば嬉しいです。どんなに辛い時期が続いても、必ず次のステップに進める日が来ます。頑張りすぎず、自分のペースで進んでいきましょう!
またお会いしましょう。ひつじでした!
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