アクリル画に適した筆の選び方と使い方|実体験を交えて

こんにちは、絵描きのひつじです!

今回は、アクリル画に適した筆選びに関する実体験を交えた記事をお届けします。

アクリル絵の具はその速乾性と多彩な表現が魅力ですが、

筆の選び方次第で仕上がりが大きく変わります。

私自身の経験から、アクリル画におすすめの筆を紹介し、

その使い方やポイントもお伝えします。それでは、早速見ていきましょう!

筆の形状と特徴

1. 丸筆(ラウンドブラシ)

ラウンドブラシは、先端が尖っており、丸い形をした筆です。その形状により、細かいディテールや線を描くのに適しています。毛先が丸く、柔らかいため、絵具の含みが良く、柔軟なストロークが可能です。ラウンドブラシは、様々なサイズがあるため、小さな細部から広い面まで幅広く使えます。

▪️特徴

  • 先端が細く尖っている → 細かい線やディテールが描ける
  • しなやかな筆圧調整 → 軽い筆圧で細い線、強い筆圧で太い線が描ける
  • 絵具の含みが良い → 滑らかな塗りができ、ムラなく塗れる

毛質や硬さによって使い心地が変わるため、用途に応じて選ぶことが大切です。

▪️使い道

ラウンドブラシは、細かいディテールの表現や柔らかいグラデーションを作るのに優れています。以下のような用途に向いています。

  • ポートレートや人物画→ 顔や体の細かい部分、特に目や髪の毛の描写に最適
  • 花や植物の細部→ 花びらや葉の縁を描く際に使うと、細部までリアルに仕上がる
  • 精密なディテール→ 動物や建物の細かい部分の描写に有効
  • グラデーションの作成→ 細かい筆使いで色を段階的に塗り重ねる際にも役立つ
  • 細い線を描く→ 細かい線や模様を描くのに適しており、筆先を使って繊細な表現が可能

2. 平筆(フラットブラシ)

平筆は、毛先がまっすぐカットされた四角い形の筆で、広い面を塗るのに適しています。毛の密度が高く、絵具をたっぷり含めるため、筆跡がしっかりと残る力強い表現が可能です。

▪️特徴

  • 直線やシャープなエッジが描ける → 角を使えば細い線も描ける
  • 広い面をムラなく塗れる → 均一なベタ塗りに最適

▪️使い道

平筆は、はっきりとした形や広い面の塗りに向いているため、以下のような使い方ができます。

  • 背景や大きな面のベタ塗り→ 一気に広い範囲を塗るのに便利
  • 建物や幾何学模様の表現→ 直線やシャープな形をきれいに描ける
  • 絵具を重ねて質感を出す(特に油絵・アクリル)→ 厚塗りすると力強いタッチが出る
  • ドライブラシ技法(かすれた表現)→ 絵具を少なめにしてザラついた表現が可能

角を使えば細い線も描けるため、意外と細かい描写にも対応できます。

3. ファンブラシ

ファン筆(扇形筆)は、毛先が扇のように広がった形をした筆で、独特のタッチやぼかし表現ができるのが特徴です。毛が広がっているため、一度に広い範囲を塗ったり、細かい線を何本も描いたりできます。

▪️特徴

  • ぼかしやグラデーションが得意 → 柔らかい質感を表現できる
  • 絵具を軽くのせるのに適している → 色をなじませたり、ふんわりした質感が出せる
  • 細かい線が同時に描ける → 一本一本の毛が分かれるため、毛並みや草の表現がしやすい
  • 毛の硬さによって使い方が異なり、柔らかい毛(イタチ・リス毛)は繊細なぼかし向き、硬めの毛(ブタ毛・ナイロン)は力強いタッチに適しています。

▪️使い道

ファン筆は、繊細なぼかしや質感表現に優れているため、以下のような場面で活躍します。

  • 空や雲のぼかし→ 柔らかいタッチで雲をふんわり描ける
  • 草や木の葉の表現→ 筆を軽くトントンと置くだけで、自然な葉の質感が出せる
  • 動物の毛並みの描写→ 細かい線が同時に描けるので、リアルな毛並みを表現できる
  • 髪の毛の流れを表現→ ぼかしながら繊細な毛流れを作るのに便利
  • ドライブラシ技法(かすれた質感)→ 絵具を少なめにして、ざらっとした風合いを出す

4.フィルバート

フィルバート筆は、先端が丸みを帯びた平筆で、柔らかいタッチとスムーズな筆運びが特徴です。平筆のような広い面の塗りと、丸筆のような滑らかなブレンドの両方ができるため、非常に万能な筆です。

▪️特徴

  • エッジが柔らかい → カドが立たず、自然なラインが描ける
  • なめらかなグラデーション → 色を混ぜたり、境界をぼかすのに最適
  • • 細かい部分も広い面も対応 → 軽く筆を傾ければ細い線も描ける

▪️使い道

フィルバート筆は、特に滑らかな表現が求められる場面で活躍します。

  • 肌のグラデーション(ポートレート)→ 肌の色をなじませるときに使うと、自然な仕上がりに
  • 花びらや葉っぱの表現→ 丸みのある形を描くのに最適
  • 動物の毛並み→ ふんわりとしたタッチが出しやすい
  • 雲や水のぼかし→ 境界をなめらかにぼかして、リアルな質感に

毛の種類とその選び方

アクリル画用の筆を選ぶ際に、毛の種類も重要です。

1. 人工毛の筆

最初に使ったのは人工毛の平筆で、リーズナブルな価格のものを選びましたが、これが意外と良かったです。耐久性が高く、アクリル絵の具が乾いても毛先が崩れず、何度も繰り返し使えました。

ナイロン筆の特徴:合成繊維で作られた筆で、弾力があり、形状保持力が高いため、均一な筆圧で線や塗りがしやすい特徴があります。また、耐久性に優れ、毛が抜けにくいことから長持ちし、コストパフォーマンスが良いのも魅力です。細かいディテールを描くための細筆から、広い面を塗るための平筆まで、種類も豊富に揃っており、使い勝手が良いです。

2.動物の毛

セーブル(イタチの一種)おすすめ

コリンスキーよりもやや硬めの毛質を持ち、水含みと耐久性のバランスが取れている。コリンスキーほど高価ではないが、繊細な描写に適しており、水彩・アクリル・油彩の細かい部分を描くのに向いている。初心者でも扱いやすく、上質な筆として広く使われる。

馬毛

馬毛は適度な弾力を持ち、比較的安価なため、多くの筆に使用される。力強いストロークが必要な用途に向いている。毛の質によっては柔らかいものから硬いものまであり、用途に応じて選ばれる。

ヤギ毛(羊毛)

ヤギ毛は柔らかく、大量の水を含むことができるのが特徴。リス毛と同じく毛先のまとまりは弱いが、にじみやぼかしを活かした表現には最適。大きな面を一気に塗る刷毛や、日本画・水墨画の筆としてよく使われる。

豚毛(ブリッスル)

豚毛は非常に硬く、弾力が強いため、油絵やアクリル画の厚塗りに最適。絵具をしっかりとつかみ、筆跡がはっきり残るため、力強い表現が可能。耐久性も高く、ゴシゴシとこすっても毛がへたりにくい。主に油彩筆として使われるが、アクリル画のテクスチャ表現にも向いている。

動物毛と合成毛の違い動物毛は天然のキューティクルを持ち、水含みや絵具の保持力に優れるため、高級筆の素材として使われることが多い。一方で、合成毛は耐久性が高く、コントロールしやすいものが多い。最近は技術が向上し、コリンスキーに近い性能を持つ高品質な合成毛筆も登場しており、動物毛と遜色ない描き心地のものも増えている。

筆の手入れと使い方のコツ

アクリル絵の具は速乾性が高いため、筆を洗うタイミングが非常に重要です。

私が最初に失敗したのは、乾いた絵の具を付けっぱなしにしてしまったことです。

そのため、筆が毛先で固まり、何本も無駄にしてしまいました。

アクリル画用筆は、使った後すぐに洗浄し、乾かす際に毛先の形を整えることが大切です。

特にファンブラシや丸筆は、毛の流れを整えることで次回もスムーズに使えるようになります。

おすすめのアクリル画用筆

私が実際に使ってみて良かったアクリル筆をいくつかご紹介します。これからアクリル画を始める方におすすめです!

ターンレスのロングビジュアル筆

ロングハンドル

アクリル画におすすめの筆で、大きなキャンバスを描くときに動かしやすく、

広い面を塗るのにも、細かい表現をするのにも便利です。毛は適度な硬さがあり、塗りやすくスムーズな使い心地です。

初心者でも使いやすく、プロのアーティストにも人気があります。

ショートハンドルのヴァンゴッホビジュアル筆6本組セットもおすすめです。

ホルベイン  ファン タヌキ

ホルベインの「たぬきファン」は、たぬき毛を使用したファンブラシ(扇形の筆)で、

柔らかさとコシのバランスが良いのが特徴です。

絵の具をなじませたり、ぼかし表現をするのに適しており、

特に油彩やアクリル絵の具での使用に向いています。ナチュラルな筆跡を残しつつ、

繊細なグラデーションやテクスチャを作りやすいので、風景画や動物の毛並み表現にも重宝されます。

ホルベインのリセーブルナイロン刷毛

15年以上使ってます。毛が丈夫。

アクリル画や水彩画に適した、

高品質な刷毛タイプの筆です。

毛が柔らかい!!

均一に塗り重ねしたい時に便利な筆です。

耐久性のあるナイロン素材、用途に合わせたサイズ展開

幅広いサイズがあり、広い面を塗るときや細かな部分を描くときに選べます。特に背景や下地作りに重宝されます。

ボカシ筆

最近大きいサイズを買い足しました。

名村大成堂のボカシ筆

ぼかしやグラデーションを作るために特化した筆で、毛の種類によって使い心地や仕上がりが異なります。サイズも豊富、値段もリーズナブルで初心者でも挑戦しやすいと思います。

それぞれの特徴を以下にまとめました。

1. 馬毛のボカシ筆

馬毛は柔らかさとコシを兼ね備えており、絵の具の含みが良いため、滑らかなグラデーションを作るのに適しています。

2. 鹿毛のボカシ筆

鹿毛は柔軟性が高く、しなやかな動きが特徴。繊細なタッチと優れた絵の具の伸びを実現します。

3. 豚毛のボカシ筆

豚毛は硬めで弾力があり、耐久性が高いのが特徴です。毛が硬めなので、強いタッチや厚塗りにも対応できます。

選び方のポイント

• 柔らかい表現がしたいなら「馬毛」や「鹿毛」。

力強いタッチやテクスチャを活かしたいなら「豚毛」。

キャムロンプロ(620)シリーズ

筆界のベストセラー

キャムロンの丸筆

特に細かい描写や繊細なラインを描くなら、5/0号がおすすめです。

毛先のまとまりがよく、細い線やディテールを綺麗に表現できるので、細密描写に最適です。合成毛のため耐久性があり、長く使えるのも魅力。

軽量で持ちやすく、安定した描き心地を求める人にぴったりの一本です。

Winsor & Newton ウィンザー&ニュートン 水彩用筆 シリーズ7

お気に入り!これがないと困ります。

非常に細かい描写に向いた高品質の水彩筆です。私はアクリル画でも使っています。

細かいディテールの表現はこれ以外考えられないくらい気に入ってる筆です。

繊細な線や細部の表現ができるのは

コリンスキーセーブル毛のおかげ、

高い水含みと耐久性があります。

本来は水彩用の筆です。アクリルに使う場合は乾燥にきよつけて、お手入れも丁寧にしてあげてください。

まだまだおすすめ筆はあるのですが、今回はこの辺にしておきます。

いつも筆選びで感じることは

いい筆は高いなぁー!

色々試したいけど高くて何本も買えないよ!

そこでおすすめの画材屋さんがあります。

笹部洋画材料店さん!

道頓堀に実店舗がある笹部洋画材料店さんのオリジナルの筆はコストパフォーマンスの高い商品が魅力です。

品質を保ちながらも非常に手頃な価格

多様な筆のラインアップがあります。

私も何本か愛用してますが値段以上だとおもいます。

セーブル毛を使っています。

オリジナル商品以外もお買い得なので、ぜひ公式ウェブサイトをご確認ください!

(送料が割高なので、絵の具やメディウムなど、まとめ買いするときに筆を一緒に買うのがおすすめです。)

まとめ

私自身の実体験を交えて、おすすめの筆を紹介しましたが、

やはり一番大切なのは

自分に合った筆を見つけることです。

ぜひ、自分の作品をより一層引き立てる筆を見つけてみてください!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。ひつじでした!また次回の記事も楽しみにしてくださいね。