
みなさん、こんにちは、
絵描きのひつじです。
今日は、アクリル画をもっと楽しく、もっと自由に表現できる
モデリングペースト
モデリングペーストパミス
を使った、パステルカラーの抽象画を作っていきます。
「絵の表面に立体感を出してみたい」
「ナイフを使ったペイントに興味がある」
「モデリングペーストってどうやって使うの?」
そんな方にぴったりの内容です。
今回は「空と大地」をテーマに、ふわっとやさしいパステルカラーの世界を表現してみました。空は滑らかに、大地はざらざらとした質感にして、手触りの違いも楽しめるような仕上がりを目指します。
モデリングペーストは、ペインティングナイフで塗るだけで簡単に厚みを出せるので、初心者の方でも挑戦しやすいですよ!
それでは、さっそくモデリングペーストとパミスの特徴から見ていきましょう。
目次
モデリングペーストとモデリングペーストパミスの特徴

モデリングペーストとは?
モデリングペーストは、アクリル絵の具に混ぜて使うと、絵の表面に厚みを出せるメディウムです。ペインティングナイフで塗ることで、なめらかな盛り上がりや、筆とは違うタッチを楽しむことができます。
主な特徴は以下のとおりです。

✅ 乾燥後はしっかり固まり、丈夫な仕上がりになる
✅ 滑らかな表面を作ることができる
✅ アクリル絵の具と混ぜて、好きな色に着色できる
✅ 厚く塗るとひび割れしやすいので注意
この「ひび割れ」については、後ほどジェルメディウムを混ぜる方法で防ぐことができます。
モデリングペーストパミスとは?
モデリングペーストパミス(Pumice)は、ざらざらとした砂のような質感が特徴のメディウムです。普通のモデリングペーストと違い、粒子が入っているため、マットでラフな仕上がりになります。

✅ 乾燥後もざらざらとした質感が残る
✅ 砂のようなテクスチャが楽しめる
✅ モデリングペーストと混ぜると、ざらつきの強さを調整できる
このパミスを使うことで、まるで大地のような質感を作ることができます。
今回の絵では、空の部分にモデリングペーストを多めに使い、大地の部分にはパミスを使ってザラザラ感を出すという方法で表現していきます。
モデリングペーストに色をつける

モデリングペーストは白色なので、好きなアクリル絵の具を混ぜて、自分だけのカラーを作っていきます。
今回は、空の部分を表現するために、水色・ラベンダー・ピンクなどの淡いパステルカラーを作りました。
✔ 空の表現 → 水色や淡いラベンダーを多めに
✔ 雲の表現 → 白をそのまま活かして、ふんわり感を演出
モデリングペーストはナイフで塗るとグラデーションが作りやすく、優しく伸ばすことで自然な色の変化が生まれます。
モデリングペーストパミスにも色をつける

次に、大地の部分に使うパミスにも色をつけていきます。
パミスはもともとグレーがかった色をしているので、パステルカラーにするためにチタニウムホワイトやピンク、ラベンダー、ターコイズを混ぜました。
✔ ふんわり優しい雰囲気を出すため、くすみピンクをメインに
✔ 少しだけブルーを加えて、自然なつながりを意識する
モデリングペーストとパミスを混ぜて質感を調整

空と大地の境目をなじませるために、モデリングペーストとパミスを半々に混ぜた部分も作ります。
✔ 境目が唐突にならないよう、少しずつブレンドする
✔ ペインティングナイフのエッジを使って、ランダムなテクスチャを加える
こうすることで、滑らかな部分とざらついた部分が自然に調和し、奥行きのある作品になります。

ジェルメディウムを混ぜてひび割れを防止

モデリングペーストを厚く塗ると、乾燥時にひび割れが起こることがあります。
これを防ぐために、ジェルメディウムを少し混ぜるのがおすすめです。
✅ ジェルメディウムを1:3くらいの割合で混ぜる(ジェル1に対してペースト3)
✅ 乾燥がゆっくりになり、ひび割れしにくくなる
✅ 透明感が少し増して、色の深みが出る
特に、空の部分の滑らかさをキープしたいときに便利です。
このように、モデリングペーストとパミスを使い分けることで、質感の違いを活かした抽象画を作ることができます。

番外編:モデリングペーストパミスの特性と応用
ここからは、モデリングペーストパミスについて深掘りしていきます。特に、パミスのにじみ表現の魅力や、使用時の注意点を解説していきますね。
パミスの意外な魅力:にじみ表現ができる
モデリングペーストパミスは、ざらざらした質感が特徴ですが、実は水分を含んだアクリル絵の具を乗せると、じんわりとにじむ効果が得られるんです!
パミスは粒子があるため、水分を少しずつ吸い込みながら広がります。
✅ ソフトなぼかし効果を出したいときに最適
✅ グラデーションを活かした抽象画にぴったり
✅ にじみを活かした幻想的な背景作りに◎
たとえば、ほんのり水を加えたアクリル絵の具をポンと乗せると、周囲にふわっと広がっていく感じ。これは、水彩風の表現をアクリルで作りたいときに便利です。
⚫︎モデリングペースト
⚫︎モデリングペースト&パミス
⚫︎パミス
比較してみました。完全に乾燥させたあとに、
水分多めの絵の具を塗って滲みを比較してみます。
塗りたて↓

15分経過↓

1時間経過、指乾燥した状態↓

パミスは滲みの縁が曖昧でふわっとしています。
モデリングペーストは縁がくっきり、(これはこれで綺麗)

⚠ ただし、グレーっぽく暗くなりがち…?

パミスにはもともと細かな鉱物が入っているため、白い絵の具と混ぜると、少しグレーがかった色合いになりやすいんです。
対策:少し鮮やかな色を意識して使う
たとえば、パステルピンクを作りたいときは、少し赤みを強めに入れるとバランスがとれます。
⚠ ジェルメディウムを混ぜるとにじみ効果が半減
パミスのにじみ表現は、表面のざらつきと吸水性がポイント。でも、ジェルメディウムを混ぜると、表面が少し滑らかになりすぎて、にじみ効果が弱まってしまうんです。

にじみを活かしたいなら、ジェルメディウムなしで使う
逆に、にじみを抑えたいなら、ジェルメディウムを少し混ぜてみる
用途に応じて調整できるのは、モデリングペーストパミスの面白いところですね!
ほかにも使える技法
パミスはにじみ表現だけでなく、ほかの技法にも応用できます。実際に試してみて効果があった方法を紹介します。

1. スポンジでポンポンすると、自然な石っぽい質感に
スポンジを使って軽くポンポンすると、まるで石のような質感が簡単に作れます。
✔ 乾燥後にドライブラシで色を重ねると、さらにリアルに
✔ 岩やレンガ風の背景を作りたいときにオススメ

2. 透明感のあるカラーでレイヤーを作る
パミスは表面に凹凸があるので、透明感のある色を上から何層も重ねると、奥行きのある表現ができるんです。
✔ 薄く水を加えたアクリル絵の具を数回に分けて塗る
✔ 光の当たり方によって色の見え方が変わる
これを応用すれば、夜空や水辺のきらめきなども表現できますね。
まとめ

モデリングペーストとパミスを使ってみた感想として、
どちらも質感を生かした表現ができるのが面白いと感じた。
モデリングペーストはしっかりと盛り上げることができ、なめらかな曲線や立体的なラインを作るのに向いていると思いました。
一方、パミスはザラついた質感が特徴で、荒々しい印象や自然な風合いを出すのに適していると思いました。
これらを使うことで視覚的なコントラストを生み出したり、光の当たり方によって印象を変えたりすることができます。
厚みのあるテクスチャを活かすと、単なる色の組み合わせ以上に、手触りまで伝わるような表現ができるのが魅力的ですね。
塗り重ねの工夫次第で、さらに奥行きのある作品に仕上がるのではないでしょうか?
興味を持たれた方はぜひ挑戦してみて下さい。
それでは今日この辺で、またお会いしましょう。
ひつじでした。