
アート好きの皆さん!こんにちは、絵描きのひつじです。
普段アクリル絵の具の紹介が多いひつじですが、
実は油絵も好きでたまに描いてます。アクリルにはない油絵独特の重厚感が好きです。
今回はちょっと変わった水性油絵の具についてお話ししようとおもいます。
こんな人におすすめ⤵︎
- 油絵はハードルが高そう。
- 油絵の具を使ってみたいけど、匂いや後片付けが気になる…。
- 水彩やアクリル絵の具から、より表現の幅が広がる画材を探している。
- 環境に配慮したアートライフを送りたい。
もしこうした思いがあれば、
水性油絵の具「ホルベイン DUO」がぴったりです。
DUOは、従来の油絵の具と異なり水で薄めて使える特性を持ちながらも、油絵ならではの深い表現力を保つ画材です。
この記事では、DUOの基本から、初心者向けの使い方を徹底解説します。
目次 [非表示]
DUOの基本:どんな画材なの?

「DUO アクアオイルカラー」は、
ホルベインが開発した水性油絵の具で、次のような特徴があります
1. 水で薄められる!溶剤いらずの油絵
通常の油絵の具はテレピンやペトロールといった溶剤が必要ですが、
DUOは水だけで薄められます。
2. 従来の油絵の仕上がりを再現
乾燥後は従来の油絵の具と同じ質感・保存性を持ち、深みのある色彩や艶やかな仕上がりが楽しめます。
3. 水彩画のような表現もできる
DUOは水性の油絵具なので、油絵の耐久性と表現力を持ちながら、水で簡単に溶け、ウェットインウェットやぼかしが可能です。これにより、水彩のように軽やかで自然なグラデーションや混色を楽しむことができます。(水分多めの場合はマットな質感になる)
4. 水彩絵の具との混色が可能
DUOは水彩絵の具(ポスターカラー)と混ぜて使用できるのが特徴。透明感を足したり、速乾性を活かしたりと表現の幅を広げることができます。混ぜすぎると油絵の具らしさが弱くなります。
5. 手軽で安全!後片付けも簡単
DUOは水で洗えるため、使い終わった筆やパレットの手入れが簡単です。また、油絵特有の匂いも少なく、家庭でも安心して使用できます。
6.身体と 環境に優しい
水性ベースで、有機溶剤を使用せず、大気中のVOC(揮発性有機化合物)の排出が少ない。
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初心者のためのDUOの使い方

風景画の描き方
1. 必要な道具を準備
DUO絵具、筆、水、メディウム(ペインティングオイルやグレージング用)、パレット、キャンバスを用意します。
2. 水で薄めてベースを塗る
絵具を水で薄め、空や地面などの大まかなベースカラーをキャンバス全体に塗ります。薄塗りで軽く色をのせると、後の描き込みがスムーズになります。
3. 前景・中景・背景を順に描く
• 背景(空や山): 水で絵具を溶き、柔らかいグラデーションを作ります。
• 中景(木や建物): 輪郭を意識しながら少しずつ描き込みます。
• 前景(草や花): 細部を描き込むとリアルさが増します。
4. 書き込み時にメディウムを活用
細部を描き込む段階でメディウムを少量混ぜると、ツヤが加わり、色が鮮やかに仕上がります。また、絵具の伸びが良くなりスムーズに描けます。
5. 乾燥を待ちながら重ね塗り
薄塗りの乾燥は数時間、厚塗りの場合は1日以上必要です。しっかり乾燥させてから次の層を塗ると、色が濁りにくくなります。
メディウムを使うと乾燥時間を短くできる。
6. ハイライトと影を追加
光の方向を意識し、明るい部分や影を入れて奥行きを出します。最後に細かいディテールを調整して完成です。
ポイント: 最初は水で気軽に始め、徐々にメディウムを使って質感や深みを出す方法がおすすめです!
独特なテクスチャ表現厚塗りで油絵特有の重厚感を出したい場合、専用オイルを混ぜながら層を重ねるのがコツ。ナイフやテクスチャツールを活用して、立体感を持たせたダイナミックな表現も可能です。
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専用メディウムで仕上がりを向上

ペインチングオイル
• 水可溶性油絵具「デュオ」に混ぜて使用するオイル。
• 絵具を柔らかくし、適度な光沢感を付与します。
• 水と混ぜることで、速乾性を高めることが可能。
DUO専用のペンチングオイルを使えば、絵の具の定着力や艶感を高めることができます。特に厚塗りの際や、長期保存を見据えた作品制作には最適です。ペインチングオイルを普通の油絵具に使用すれば、最大30%まで混ぜることで水で溶けるようになります。これは、通常の油絵具をDUOのような水性油絵具として扱えるようにする方法です。ペインティングオイルを適切に混ぜることで、水で筆や道具を洗えるようになります。ただし、ペインティングオイルの使用量が多すぎると、乾燥時間が大幅に長くなる可能性があるため、必ず使用量を守りましょう。初めて試す場合は、小さな量で実験して、描き心地や仕上がりを確認するのがおすすめです。
リンシードオイル
• 高粘度で、水と混ぜて使用する乾性油。
• 流動性、透明度、光沢が得られます。
スタンダードリンシードオイル
• 加熱重合させた乾性油に界面活性剤を加えた水可溶性油絵具用乾性油。
• 高粘度の蜂蜜状、乾燥後の黄変が少なく、高い透明度、柔らかく筆跡を残さない塗膜が得られます。
乾燥を早めるメディウム

DUOは従来の油絵の具よりも乾燥が早いため、重ね塗りや細部の調整がスムーズに行えます。
クイックドライメディウム チューブ
• グロス・マット両方あり
• グロス: 光沢感をプラス。
• マット: つや消し仕上げに適しています。
• 乾燥が早く、約20~30分で表面が指に付かなくなる。
クイックドライング リキッド
液状乾燥促進剤。
• 約15~25分で表面乾燥が進み、指に付かなくなります。
• 乾燥後も適度な光沢を維持し、柔らかい筆跡を残します。
ペインチングオイル 万能
• 水可溶性油絵具「デュオ」に混ぜて使用するオイル。
• 絵具を柔らかくし、適度な光沢感を付与します。
• 水と混ぜることで、速乾性を高めることが可能。
DUOを使用する際の注意点とポイント

耐久性について、DUOは通常の油絵の具と同等の耐久性を持つため、長期保存や展示にも適しています。専用のオイルを使用することでより安定した定着が可能になります。
注意点
• DUOの画溶液(オイル)使用後に、上から水だけで薄めたDUOは定着しにくい。
•アクリル絵の具やアクリルメディウムと混ぜるのは不向き、推奨されていません。それでも挑戦したい場合はDUOを水で薄めから混ぜましょう。
• DUOをアクリル画の上に塗布する場合は、光沢のあるつるつる画面の上は絶対NGです。ペーパーがけを行いましょう。定着しやすくなります。(油彩画の上にDUOの場合も、つるつるした画面には定着しずらいので同様にペーパーがけをすると良い。)
・薄塗りの場合、速乾性が高いため短時間で次の層に進めますが、厚塗りの際は十分な乾燥時間が必要です。
DUOの魅力を最大限に活かすには?

DUOは、初心者にとっては手軽で安全な画材として、そして幅広い表現を可能に魅力があります。以下のポイントを押さえて、あなたの作品制作に役立ててください:
1. 環境に優しい選択
溶剤を使わないため、身体や環境への負担が少ない。制作が快適。
2.乾燥時間の調整
乾燥が早いので待ち時間の短縮で制作スピードが上がります。
3. 本格的な仕上がり
油絵の重厚感、深みと質感を維持しつつ、取り扱いやすさを兼ね備えた画材。
まとめと感想
科学の進歩はすごいですね。
私はDUOが販売されて間もないころからちょこちょこ使ってますが、いまだに油絵の具が水に溶ける感覚が不思議です。
今回紹介した基本の扱いに慣れたら、
グレージング技法や、ハッチング技法など、DUOを使って新しい油絵の世界に挑戦してみてください!楽しいとおもいますよ!
それではまたお会いしましょう。ひつじでした。
